【Blender】シュリンクラップを用いたBlender 2.8のリトポロジー

スカルプトモデリングを行った際や、モデリングの頂点の並び等を見直したい場合にリトポロジー(ポリゴンメッシュの再構成)は必要不可欠です。今回はBlender 2.8のシュリンクラップモディファイアーを使用したリトポロジーの方法を見ていきたいと思います。

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リトポロジーとは

3DCGの業界用語でトポロジーとは「メッシュの構成」の事を指しますので、トポロジーに「リ」のついたリトポロジーという用語は「メッシュの再構成」を意味します。

スカルプトモデリングで作成した3Dモデルは筋肉の隆起等の表現に特化しており、非常に滑らかな仕上がりとなりますが、当然ポリゴン数は大幅に増大し数万~数十万のポリ数となってしまいます。

また、スカルプトモデリングでは細かい部分を仕上げた場合その場所の頂点が非常に密な状態になってしまう事があります。

数十万ポリといったポリ数の多いモデルを例えばゲーム製作等で使用した場合、処理不可が大きく掛かりますし、メッシュ構成がしっかりできていない3Dモデルではアニメーションさせた時に上手くいかない事もあるでしょう。

リトポロジーはポリゴン数の削減に大きく繋がり、メッシュ構成を適切な物へと直す事ができるスカルプトモデリングでは無くてはならない作業となっています。

Blender 2.8でのリトポロジー方法

こちらの動画を参考にしつつ、Blender 2.8によるリトポロジー方法を追って行きたいと思います。

こちらの記事作成時には、Blender 2.8にて動作するリトポロジー用のアドオンを発見する事ができなかったため、動画で行っているようにシュリンクラップモディファイアーの機能を用いた手動リトポロジーの方法解説となります。

Blenderは他のモデリングツールと比べてリトポロジーの機能が弱いと言われてしまう事があります。しかし、Blenderは「無料」です。タダより高い物は無いのです・・・・! 意味は違うんでしょうが(汗

今後、Blender 2.8においてもアップデートでリトポロジーに関する機能の追加や、アドオンの追加があるかもしれないので期待しています。

リトポロジーする前に準備

「編集」→「Preferences」を選択し、「Keymap」の「Spacebar Action」を「ツール」に切り替えます。

これは、3Dビュー上でスペースバーを押した際の機能を変更する事ができ、操作を切り替えるのに重宝します。

元から表示されている立方体は削除し、Blenderユーザーにはおなじみのサル顔面「スザンヌ」を呼び出します。

スザンヌを呼び出したら動画と同様の見た目になるように、モディファイアーの細分割曲面で1程度に細かくして適用し、Edit Modeで全面にスムースをかけておきます。

このスザンヌに対してリトポロジーしてみます。

リトポロジーの開始

リトポロジーを開始するため、オブジェクトに平面を追加します。

平面を追加したら、平面のモディファイアーにシュリンクラップを追加し、「ターゲット」をスザンヌのオブジェクト、「オフセット」を0.01、「モード」を最近接表面の点、Above Surfaceに設定します。

次に、平面を選択した状態でEdit Modeに入り、トランスフォーム時のスナップをONにし、Snappingを「面」に、Project onto SelfをOFFにします。

この時点で、平面のオブジェクトはシュリンクラップでスザンヌモデルの表層を覆うように頂点がトランスフォームされるようになっています。

平面オブジェクトを選択状態にしてEdit Modeに入り、必要無いので平面の頂点を全て消してしまいます。

また、Edit Modeの編集結果にシュリンクラップの効果が反映されるようにシュリンクラップモディファイアの「編集ケージをモディファイアの結果に適用」をONにします。

後は動画と同様に、スペースバーでPoly Buildモードにして、面を作成していきます。

動画では最初に4頂点を左クリックで作成して面張りし、後は各頂点や辺から左クリックで三角面、四角面を引き出すような形で面を作成していっています。

Poly Buildにおいて通常生成されるのは三角面ですが、辺を引き出す際にCtrlキー+左クリックで四角面を生成できます。また、Alt+左キーで頂点を削除する事ができます。

まとめ

Blender 2.8のリトポロジーの手法の一つとして、平面にシュリンクラップモディファイアーを設定してターゲットを設定し、トランスフォーム時のスナップを適切に設定する事で手動リトポロジーが行える事がわかりました。

Blender 2.8一つのソフトで、スカルプトモデリングからリトポロジーまで行えるのは中々スマートではないでしょうか?

もちろん、今後のアップデートにも期待です。

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