【Blender】Blender 2.8におけるPBRテクスチャーペイント

無料なのに高機能なモデリングソフト、「Blender」を使用してモデリングやMMDの製作を行っている方も多いと思います。Blenderはバージョン2.8より、大幅に改良され全く別のソフトのように生まれ変わろうとしていますが、今回はこのBlender 2.8における「PBRテクスチャーペイント」について見て行きたいと思います。
PBR(フィジカルベースドレンダリング)とは
PBR(フィジカルベースドレンダリング)または物理ベースレンダリングとは、現実世界を模倣した非常にリアルなレンダリングであり、カメラ、ライト、マテリアルの設定を現実に準拠した物にする必要があります。
TVのCMや映画などのCGで使われていますが、近年ではゲームでも使われており、まるで現実のような映像をリアルタイムで描画しています。
海外のゲームタイトルでは比較的スタンダードになっているようですが、国内ではコンシューマー向けのAAAタイトルで使われているのを見る事ができると思います。
PBRにおいて、物質は粗さ(Roughness)、金属っぽさ(Metalness)の二つの要素で表現されるとされており、今回BlenderのPBRテクスチャーペイントはこの二つの要素を3Dモデルに直接ペイントする事ができるという内容でとなっています。
参考動画
Blender2.8でPBRテクスチャーペイントをしてみる
BlenderのPBRテクスチャーペイントをチュートリアルして頂いている動画を参考に実際に行ってみたいと思います。細かなバージョン違いのためか、一部動画とは違う操作がちょっとだけあります。
テクスチャーペイントの準備
Blender 2.8を起動します。起動すると立方体が表示されているので、動画にならいEdit Modeにして頂点を全選択の後に、Ctrl+Bで「ベベル」、セグメントを2で立方体の角を取ります。

基準となる面を選択後、面を全選択しUキーで「UVマッピング」→「アクティブ四角形面に追従」→「長さの平均」でOKを押してUV展開します。
UV展開の後、ワークスペースを「UV Editing」に切り替えてUV展開図のサイズと位置を調整します。

これで、テクスチャーペイントの準備は完了です。
テクスチャーペイントの開始
テクスチャーペイントを行うため、ワークスペースを「Texture Paint」に切り替えます。また、PBRテクスチャーペイントの結果確認し易くするため、3Dビュー側の陰影処理を「LookDev」に切り替えます。シェーディングをクリックして「Scene Lights」にチェックを入れて好きな背景を選択しておきます。

プロパティのテクスチャスロットにベースカラーを追加します。テクスチャのサイズとカラーは任意ですがサイズは動画に合わせて2048×2048にしました。カラーは金属の反射が分かり易い色なら何でも良いです。
展開図の方の画像を作成したベースカラーのテクスチャーにします。また、ペイント側のビューのオーバーレイを非表示にして塗りと確認がし易いようにしておきます。

次にテクスチャスロットにバンプを追加します。テクスチャサイズは変わらず2048×2048、カラーはバンプの場合色が白い程出っ張って、黒い程凹んで見えるので中間の灰色、RGB(0.5,0.5,0.5)にします。
展開図の方の画像をバンプの物に切り替え、テクスチャペイント側の立体をブラシで塗ってみます。ブラシのカラーが黒い程凹んで見え、白い程出っ張って見える事が確認できます。このバンプマップが展開図の画像に反映されている事も確認できます。

バンプと同様に、テクスチャスロットに粗さ(Roughness)を追加します。粗さ(Roughness)の場合、塗る色が黒い程滑らかに見え、白い程粗く見えるようになっています。黒く塗った箇所は滑らかなため、鏡のように背景が映り込んでいる事が確認できます。
バンプや粗さ(Roughness)の各マップ画像を保存したい場合は、展開図側のメニュー「画像」を選択して「名前を付けて保存」でpng形式等で保存できます。

テクスチャーペイントを行った後に、ワークスペースを「Shading」に切り替えて立方体のマテリアルノードを確認するとテクスチャーペイントで塗ったベースカラー、バンプ、粗さ(Roughness)がしっかり反映されている事が確認できます。

後は3Dビュー上の陰影処理をレンダーにする事で、ライティングや移り込みを含めどう見えるかを確認する事ができます。

Blender 2.8のPBRテクスチャーペイントを行ってみて
今回紹介したように、Blenderはバージョン2.8からPBRテクスチャーペイントが比較的容易に行えるようになっているようです。以前のバージョンではテクスチャーペイント自体は機能として合ったと思いますが、気軽に映り込み等の環境依存の検証は2.8ならではの機能と言えるのではないでしょうか。
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